HYROXダブルスの組み方|走るペースと種目の分担を決める
二人とも8kmを走るHYROX Doubles。得意種目だけで分担を決めず、交代後のランと声掛けまで含めて、完走を目指す作戦を考えます。

Sgt. Justin Rachal / U.S. Army
二人で出るなら、得意な種目をそれぞれ多く担当すればよさそうに見えます。ただ、スレッドを多く押した後に走れなくなると、二人で進むランにも影響します。Doublesは種目の分担表だけでは作戦が完成しません。
二人とも1kmのランを8回走り、8種目の作業量を分けるのが基本です。私は初回なら、細かいタイムよりも二人で楽しく完走することを優先したいと考えます。そのために、担当量、ランのペース、予定通りにいかないときの合図を先に揃えておきます。
一緒に走り、一緒に種目へ出入りする
26/27のDoublesでは、二人が一緒にスタートし、各1kmを一緒に走ります。種目も二人が揃ってから始め、終了後も一緒に出ます。一方が先に走って次の器具を確保する、という形にはできません。
種目は原則として一人が動き、もう一人が待つYou Go I Go方式です。待つ側は立った状態を保ち、他の参加者を妨げず、種目ごとに決められた位置を守ります。練習で自由に休める場所があっても、本番の待ち方は部門ルールに合わせて覚えておきましょう。
待つ側の位置は種目によって異なります。スレッドプッシュでは作業する相手のすぐ後ろを歩きます。スレッドプルでも相手の後ろにとどまり、手や足でロープを整理する手助けはできません。交代の合図だけでなく、待っている間の動きも二人で確認してください。
参照:26/27 Doublesルールブック:7.1〜7.3・8.2・8.3

半分ずつではなく、次のランまで見て分担する
全種目を必ず50対50にする必要はありません。ただし、筋力がある方へ一度に多く任せると、その後のランで歩く時間が増えるかもしれません。種目を終える速さと、二人が再び走れる状態を一緒に見ます。
| 種目のタイプ | 分担を試す方法 | その後に見ること |
|---|---|---|
| SkiErg・Row | 短い距離ごとに交代し、操作にも慣れる | 交代にかかる時間とランの余裕 |
| スレッド | 規定の区間と交代手順に合わせて担当する | 押し引き後に二人で走り出せるか |
| キャリー・ランジ | 短い区切りから担当量を調整する | 握力や脚の疲れで次のランが変わるか |
| Wall Balls | 有効な動作を保てる回数で区切る | 無効回数が増える前に交代できるか |
表は作戦を考えるための例で、どの地点でも自由に交代できるという意味ではありません。スレッドなどは種目ごとの交代条件があるため、希望の分担を実際に行えるかも公式ルールで確認します。
ローイングなら、公式ルールブックにも250mごとに交代して合計1,000mを終える例があります。Aが250m、Bが250m、Aが250m、Bが250mなら、一人500mずつです。これは義務の分割ではなく、最初に試す配分の一つ。交代後の走りまで見て、片方の負担が大きければ次回の距離を変えてみてください。
走力と得意種目が違う二人なら、同じ分担を全種目に当てはめる必要はありません。例えばAはランを続けやすく、Bはエルゴが得意だとします。まずRowを250mずつ交代する練習を一度行い、次の短いランまで一緒に動けるかを確認。Aが走り出せても、Bの呼吸が戻らないなら、Bが得意だからといって次回の担当をさらに伸ばす必要はありません。
| ペアの状況 | 練習で試すこと | 作戦を変える目安 |
|---|---|---|
| Aは走りが得意、Bはエルゴが得意 | 同じ配分で1組試し、エルゴ直後のランも記録 | Bが次のランで大きくペースを落とすなら担当距離を見直す |
| 二人ともスレッドは初めて | コーチの指示で軽い負荷の区間から交代 | 待機位置や折り返しを覚えるまでは重さを増やさない |
| 片方のウォールボールで無効が増える | 有効な回数を目印に短く交代する | 動作が保てなくなる前に短い交代へ変える |
合図を決めるときは「疲れたら代わって」だけで終わらせず、次の有効回数や区間を使って二人の認識を揃えます。例えばウォールボールは「次の有効5回で交代」、移動中は「次のランは少し落とす」のように、何を変えるかまで決めると伝わりやすくなります。

交代時に手伝えることを、種目ごとに覚える
二人で協力できる競技でも、相手の器具を自由に調整できるわけではありません。SkiErgでは待機する人は指定位置にとどまり、ハンドルを相手へ手渡すことはできません。Rowでもハンドルの受け渡し、相手のダンパーや足のストラップを調整することは認められていません。次の人が自分で操作するところまで含めて、交代の所要を見ます。
スレッドプルでは、待機する人がロープを手や足で整理することもできません。引いている人の後ろにとどまり、自分の立つ場所とレーンを確認します。疲れた相手を手伝うつもりの動作が、種目ごとの条件に外れないように、声の掛け方と器具に触れる範囲を一緒に確認してください。
キャリーとランジの交代では、ケトルベルやサンドバッグを前方へ渡して距離を進めることはできません。横または後ろへの受け渡しという条件で、交代する人の位置を合わせます。バーピーブロードジャンプの交代も、次の人の手を、動いていた人の足が着地した位置へ揃える手順です。
練習では、まず低い負荷や短い区間で止まり、待機位置、交代の合図、次の人が始める位置を二人で見ます。早く替わることだけを目指すより、この一連の手順を迷わず行えるかが先です。ルールの図は26/27 Doublesルールブック第8章で確認できます。
ウォールボールの交代は、ボールを床へ落とすか、二人の間で手渡す方法です。一人が的へ投げたボールを、もう一人がしゃがみながら受け、そのまま次の一回へ進む交代はノーレップになります。待機する人もリグ下の指定位置を守るため、回数だけでなく、止める・渡す・立位から再開する順まで一度確認します。

まず短いランと二種目で、組み合わせを試す
本番の量をいきなり通す前に、短いランとSkiErg、もう一度ランとキャリー、といった小さな組み合わせで二人の動きを見ます。ここでは速いタイムを作るより、交代の相談ができるか、疲れた後も同じペースで走れるかを確認します。
たとえば一人がエルゴで長く動き続けた後に、呼吸が戻らず次のランが遅れるなら、距離の分担を減らす方法があります。逆に短く交代しすぎて操作に時間がかかるなら、区切りを伸ばす余地もあります。記録は種目だけでなく、その次のランも一緒に残しましょう。
初回は「軽いラン300m → Rowを二人合計500m → 軽いラン300m」を一組だけ行う方法があります。AとBの担当距離、交代に手間取った点、最後のランで会話ができたかを残します。練習量を増やす前に、次の回で変える条件を一つだけ選びます。交代の間隔を変えるならランと負荷は同じにしておくと、どの変化が影響したか分かりやすくなります。
Rowを交代する際には、漕ぐ時間以外に、足の固定を外す、次の人が座る、固定して漕ぎ始めるという操作があります。慌てて交代する前に、器具を傷めず、足や手を挟まずに替われる順序を教わっておきます。本番の相手の待機位置や交代地点は公式ルールと会場の指示を優先してください。
自主練では、二人で同じ時間枠を予約できるか、器具を使ってよい順番や時間の制限があるかを施設に確認します。ランから戻ったら他の人が機器を使っている場合もあるため、一般利用の場で器具の確保を前提に組まず、必要ならペア練習のクラスや貸切の枠を相談します。

分担の正解は、種目と次のランを足して探す
短く交代すれば一人が長く動き続けずに済みますが、交代のたびに手順を踏む時間が増えます。反対に一人の担当を長くすれば、交代は減っても次のランが遅くなるかもしれません。どちらがよいかは、種目の時間だけを測っても判断できません。二人で次の短いランまで終え、その合計で比較します。
仮の練習例として、交代を短くした日はRowの作業と交代に3分、次の短いランに2分30秒かかったとします。交代を減らした日はRowが2分50秒でも、次のランが3分なら、合計は前者が5分30秒、後者が5分50秒です。これは実測ではなく考え方を示す数字です。種目の20秒の短縮だけを見ると見落とす違いを、合計で確かめられます。
比べるときは、ランの距離、Rowの合計距離、機器の設定、開始前の休憩を揃えます。一日に何度も試して疲れが重なるより、次の練習で同じ条件を作り、二人がどの場面で難しく感じたかも残す方が作戦を相談しやすくなります。速かった一回をそのまま本番の配分にせず、動作や交代の手順まで再現できるかを見てください。

予定を変える合図を、疲れる前に決めておく
「次で代わる」「あと少し」では、相手がいつ準備すればよいか分からないことがあります。「次の10回で交代」「次の区間をお願い」のように、二人が同じ意味で理解できる言葉を決めておくと相談しやすくなります。
当日、練習で決めた配分を守ることが目的ではありません。動作が崩れそうなら、種目の交代ルールの範囲で配分を変えます。得意な方が助ける場面と、二人でランのペースを落とす場面を分けておくと、一人だけが我慢し続ける作戦になりにくくなります。
出場前に相談したいのは、苦手を助けてもらうことだけではありません。どちらかが予定より苦しくなったとき、どう声を掛けるかも決めます。私なら最初は記録の更新より二人で楽しんで完走することを優先するので、練習で決めた数字を守るために相手を急がせ続ける作戦にはしません。

部門と登録情報は、二人で同じ画面を見て確認する
DoublesにはMen、Women、Mixedと、対象によってProの区分があります。重量や販売日が同じとは限らないため、相手と参加部門を揃えてから購入します。チケット購入後のPersonaliseも、二人分の登録が終わっているかを確認してください。
仲間と同じ大会へSinglesで出ることと、Doublesとして組むことは別です。参加形式の違いと申し込み手順を先に揃えておけば、練習の作戦もその形式に合わせられます。
Mixedを選ぶ場合、26/27ではプッシュ152kg、プル103kg、キャリーは片手24kg、ランジ20kg、ウォールボール6kgというMen Openと同じ重量の列です。片方がWomen Openの重量で練習しているなら、ペアで使う重量も別に試しておきます。種目の負担をどちらかが多く引き受けても、その後のランは一緒に進みます。
年齢別順位は二人の大会当日の平均年齢で決まります。登録情報を確認するときは、名前の綴りだけでなく生年月日も本人同士で照合します。同じ大会の同じ日でも、Singles用の券を二枚買うこととDoublesへ登録することは異なるので、購入前にカテゴリ名を二人で確認してください。

よくある質問
種目は二人が必ず半分ずつ担当しないといけませんか?
作業量を必ず半分ずつにする必要はありません。ただし、種目ごとの交代条件を守る必要があります。担当を長くした人が次のランへ進めるかも含めて、練習で配分を比べてください。
二人の走力が違うとき、作戦はどこから決めればよいですか?
まず短い接続練習で、種目後も一緒に進めるペースを確認します。速い人が先へ行く作戦ではなく、相手がどこで苦しくなるかを聞き、担当量とランのペースをセットで相談しましょう。
分担を変えた効果は、種目のタイムだけで比べられますか?
種目の後のランまで合わせて見ます。交代を減らして種目が速くなっても、その後のランが遅くなれば合計は変わります。距離や設定、休憩を揃え、交代に手間取ったことや疲れ方も記録してください。
まとめ
Doublesの作戦は、種目の作業量だけでなく、二人で走るペースと交代後の状態まで含めて考えます。得意な人にすべて任せるより、次のランまで続く配分を探してみてください。
短い接続練習で分担を試し、交代の言葉を決め、予定通りにいかないときの相談方法まで揃える。初回を楽しく完走するためにも、二人で練習する機会を作っておきましょう。




