HYROXの部門の違い|Open・Pro・Doubles・Relayの選び方

一人で出るか、二人で組むか、四人で分担するか。ランニング距離とワークアウトの担当範囲を比べ、初出場の部門を選ぶ考え方を紹介します。

米国フォートマイヤーのHYROX形式の競技に参加する人たち
米国フォートマイヤーで行われたHYROX形式の競技。
Sgt. Justin Rachal / U.S. Army

HYROXに出てみたいと思っても、申し込み画面のOpen、Pro、Doubles、Relayを見て迷うかもしれません。最初に分けたいのは、重量の軽い・重いよりも、一人で全種目を行うのか、仲間とワークアウトを分担するのかです。

特に間違えやすいのがDoubles。二人だから走る距離まで半分になるわけではありません。二人とも各1kmを8回走り、種目の作業量を分けます。走る量を含めて分担したいなら、四人のRelayとは仕組みが違います。

私は初出場なら、まず無理のない範囲で楽しんで完走することを目標にしたいと考えています。タイムや難しい部門への挑戦は、その後でもできます。その前提で、自分と仲間が担当する内容を比べてみます。

まず参加人数と担当範囲を比べる

OpenとProは、主に個人種目の負荷を区別する名称です。DoublesやRelayは参加形式の違いです。この二つを同じ分類として並べると分かりにくくなるため、先に人数、その後に負荷を選びます。

参加形式一人が走る距離ワークアウト
Singles(個人)合計8km8種目を一人で行う
Doubles(二人)二人とも合計8km8種目の作業量を二人で分担
Relay(四人)一人2km一人2種目を担当

通常のRelayでは、一人が1kmランと1種目の組を二つ担当します。連続で二つ行うか、交代して別の組を担当するかもチームで決められます。四人いれば何でも好きな比率で分けられる、というルールではありません。

参照:26/27 Relayルールブック:5.1

参加形式を選ぶ順番。まず人数、一人・二人・四人で担当が変わる。次に走る距離、Doublesは二人とも8km。最後に部門の重量、OpenとProの違いを種目別に確認
練習量を見積もるときも、人数・ラン・種目重量の順に考えます。

「Openで出るかDoublesで出るか」と迷うときは、まず一人で出たいのか、二人で出たいのかを決めると話が進みます。DoublesにもWomen・MenとそれぞれのPro、Mixedの区分があり、参加人数と負荷の選択は重なっています。友人と一緒に申し込んでも、それぞれSinglesを買えば別々の個人出場です。一つのチームとして登録するDoublesとは、当日の担当も結果の付き方も変わります。

フィニッシュした四人のリレーチーム
Relayは四人で走る区間と種目を分担します。 HYROX Japan

OpenとProは、走る距離より種目の負荷が違う

個人のOpenとProは、どちらも8kmのランと8種目です。大きく変わるのはスレッドやキャリー、ランジ、ウォールボールなどの重量。たとえばMen Openのスレッドプッシュはソリ込み152kg、Men Proは202kgです。Women Openは102kg、Women Proは152kgです。

ジムで扱うバーベルの重さだけでProを選ぶ必要はありません。ランの後に種目を行い、さらに次の1kmへ進めるかを見る方が、競技の負担に近い判断になります。初めて器具に触れる段階なら、まず練習できるジムで対象の動作を教わるところから始める方法があります。

参照:26/27 Singlesルールブック:4.1・8

個人のOpenとProで重量が変わる種目だけを抜き出しました。プッシュとプルはソリ本体込み、キャリーはケトルベル1個の重量です。たとえばMen OpenからMen Proに変えると、スレッドプッシュは総重量で50kg、キャリーは片手で8kg増えます。増える負荷は一律ではありません。

種目Women Open → ProMen Open → Pro
スレッドプッシュ102 → 152kg152 → 202kg
スレッドプル78 → 103kg103 → 153kg
ファーマーズキャリー16 → 24kg/片手24 → 32kg/片手
サンドバッグランジ10 → 20kg20 → 30kg
ウォールボール4 → 6kg6 → 9kg

プッシュの重量だけを見るとMen OpenとWomen Proは152kgで同じですが、チケット上の部門は別です。重量表は練習の目安、部門名は申込と順位の確認に使います。ソリの床との摩擦も違うので、ジムで同じ数字を一度動かせたことだけをProの判断材料にしない方が安全です。

重りを載せたソリを押す参加者と近くに立つ人
スレッドを押す場面。米国フォートマイヤーで行われたHYROX形式の競技。 Sgt. Justin Rachal / U.S. Army

Doublesは、走力が違う二人ほど相談しておく

Doublesでは二人が一緒に走り、種目も一緒に出入りします。種目の作業は原則として一人ずつ行い、得意な方が多めに担当することはできます。ただし、もう一人が先に次の種目へ進む使い方はできません。

私なら、筋力があるかだけでなく、同じペースで走れるか、疲れたときに声を掛け合えるかで相手を考えます。種目を多く担当した後に走れなくなれば、二人のランも遅くなるためです。負荷の分担だけで判断せず、短いランと種目を一緒に試すと相談しやすくなります。

参照:26/27 Doublesルールブック:7.2・7.3

二人で出るなら、片方が走るのを得意としている場合ほど、楽に走れる速さを言葉にしておきます。試すのは、全力で1kmを競う練習ではなく、種目を挟んだ後も二人が離れずに進めるかという点です。片方が動作を多く担当できても、それで次のランが続かなくなるなら、分担を変える必要があります。

Relayは走る量を分けたいチームの候補ですが、一人が担当する二種目は実際に行う必要があります。四人で集まったら「得意な種目」だけでなく、「その種目の前後で走れるか」「その器具を練習できるか」まで合わせて相談しましょう。担当だけを決めて各自が一度も器具に触れず当日を迎える、という準備は避けたいところです。

二人でフィニッシュするDoublesの出場者
Doublesでフィニッシュする二人。 HYROX Japan

初出場で迷ったときの選び方

一人で競技全体を経験したいならSingles、ランは一緒に続けながら種目を分担したいならDoubles、四人で走る量と種目を分担したいならRelayが候補です。どの形式でも、担当する動作と重量を練習で確認してから申し込みましょう。

DoublesにはMen・WomenのOpen/ProとMixedなどがあり、販売する部門や開催日は大会によって異なります。エリートや世界選手権の条件を、一般大会の初参加条件と混同しないようにしてください。通常の一般参加は16歳以上が対象です。日本大会では、16・17歳の参加には保護者または法定後見人が本人に代わって参加規約へ同意する必要があります。選んだ大会の券種に追加の対象条件があるかも見ておきます。

参照:HYROX Japanの部門案内・日本大会26/27参加規約:1.3・2.2

申し込み先と購入後の登録は、HYROXのエントリー方法で説明しています。

例えば、二人とも短いランは続けられるものの、片方が器具に不慣れなら、Doublesを候補にして同じペースで走れるかを試します。一方、走る量を減らすことが二人の最優先なら、Doublesはその条件を満たしません。四人が集まり、それぞれ2kmと2種目を練習できるならRelayを検討できます。

申込画面で見る区分を分けておくと、Openと年齢別順位を取り違えにくくなります。

区分何を決めるかどこを見るか
参加形式一人・二人・四人の担当範囲Singles/Doubles/Relayの券種
競技部門Open・Proなど、適用される競技条件大会の券種と該当ルールブック
Age Group出場部門内の年齢別の結果区分ルールブックの年齢区分と公式結果

年齢別順位は、Proに出るかどうかとは別の話です。世界選手権を意識する場合は、年齢区分だけで判断せず、当該大会の資格枠も確認します。26/27 SinglesルールブックのAge GroupsとQualification

初回の目標を決める際、私はタイムよりも楽しんで完走することを優先します。完走できる形式は人によって違うので、全員に同じ部門を勧めるつもりはありません。一人で全体を経験したい気持ちが強ければSingles、仲間と一緒に進むことに楽しさを感じるならDoublesやRelay、と参加する理由から考えてよいと思います。

もう一つ、チームが集まることと練習日を揃えられることは別です。四人でRelayを候補にするなら、それぞれの担当種目を練習する場所と、一度一緒に手順を確認する日まで予定に入れます。Doublesは二人が一緒に走るので、器具の分担を決める前に、少し走った後も会話して相談できるかを確かめておきます。

私は初回なら、完走後に「また出たい」と思えることを大事にしたいと考えています。重い部門を選ぶことが、その目標の近道とは限りません。現在できていること、まだ教わっていないこと、出場日までに練習できることを分けると、部門を選ぶ根拠を自分で説明できます。

公式販売画面のSingles、Doubles、Relay、Spectatorの選択肢
販売画面では、最初に参加形式を選びます。 HYROX

筋トレ経験とラン経験では、確認したい負担が違う

普段からバーベルを扱う人は、規定重量の数字を見てProでもできそうだと感じるかもしれません。ただ、競技ではスレッドの直前にも1kmを走り、その後にもランが続きます。重さを一度動かすことと、前後のランを含めて進めることは分けて考えたいところです。体験や指導を受ける際には、得意な筋力種目だけでなく、苦手な種目の後に走ったときの状態も確認します。

反対にランニングに慣れている人でも、ケトルベルを持つ、ロープを引く、ボールを投げる動作は初めてかもしれません。その場合は、速く走れるから重い部門に出るという選び方をせず、まず使う器具に触れます。動作を覚える段階と、出場部門の負荷で練習する段階を分ければ、何を教わればよいかもはっきりします。

どちらの人も、自分が苦手な二〜三種目を紙に書いてみてください。分からないのが動作ならクラス、対象重量で続けられるかなら指導者と負荷の確認、ペアと走れるかなら一緒の短い接続練習、と必要な準備が変わります。体力の印象だけで決めるより、まだ確認していない項目を埋めてから券種を選ぶ方が納得しやすいはずです。

両手にケトルベルを持って屋内を進む参加者
ケトルベルを運ぶ参加者。米国フォートマイヤーの競技風景。 Sgt. Justin Rachal / U.S. Army

Mixedと年齢区分は、重量の選択と分けて見る

男女で組むDoubles Mixedでは、26/27ルールの重量はMen Openと同じ列に載っています。プッシュはソリ込み152kg、プル103kg、キャリーは片手24kg、ランジ20kg、ウォールボール6kgです。女性が担当する部分だけWomen Openへ軽くなるという分け方ではないので、二人とも使う可能性のある器具を確認しておきます。

一方、ウォールボールの的は女性2.70m、男性3.00mです。Mixedでも投げる人に応じた高さへ当てます。二人で役割を決める際は、重さの得意・不得意だけでなく、自分の有効動作を保てる回数を見ます。Doublesの交代や待機位置はペアの分担と交代で種目ごとに説明しています。

Age Groupは参加する負荷を決める区分ではなく、結果を年齢別に比べるための区分です。個人の年齢区分と、Doublesの二人の平均年齢を使う区分を混ぜないようにします。たとえば二人の大会当日の年齢が30歳と40歳なら平均35歳。実際の対象グループは該当シーズンの表で確認します。

世界選手権へ進みたい人は、通常大会のPro参加条件に加えて、年齢別の資格枠を確認します。26/27では60歳以上の世界選手権資格はOpenからという条件があり、通常大会でProに出られることと同じではありません。最初の出場では、一般の参加形式と重量を決めた上で、資格を狙う場合に追加の条件を読む順番が分かりやすいでしょう。

根拠は26/27 Doublesルールブック第4章・第5章です。

公式リザルトにDivision、Gender、Age Groupの選択欄がある
結果のAge Groupと、出場する部門は別の項目です。 HYROX公式リザルト

よくある質問

Doublesなら、走る距離も二人で半分ずつにできますか?

できません。Doublesは二人が一緒に走り、種目の作業量を分担する形式です。走る量も分けたい場合は、四人のRelayと担当範囲を比べてください。26/27 Doublesルールブックで確認できます。

筋トレの経験があれば、最初からProを選んでもよいですか?

筋力だけで決めず、対象重量で動いた後も次のランへ進めるかを練習で確かめてから選びたいところです。まだ触れたことのない種目があるなら、まず体験で扱い方を覚え、自分が確認できたことを基準に部門を考えましょう。

Open・Proと、Age Groupは何が違いますか?

Open・Proは種目の負荷などの競技条件、Age Groupは年齢別に結果を比較する区分です。年齢だけでOpenかProが決まるわけではありません。申し込む券種と、結果を見る年齢区分を分けて確認してください。


まとめ

部門は、まず誰がどれだけ走り、何種目を担当するかで考えると選びやすくなります。二人なら走る距離も半分、筋力に自信があるなら必ずPro、とは限りません。

初出場では、楽しく最後まで続けられる形を選ぶ。そのために対象の動作を一度試し、相手と組むならランのペースまで確認してから申し込んでください。

山野井 秀太
山野井 秀太

編集メンバー

HYFITの編集メンバー。ウエイトトレーニングとボクシングに取り組み、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトのBIG3は合計450kg。筋力を伸ばす練習と、技術や持久力が問われるボクシングの両方を続けている。HYFITでは、競技ルールやジムの公式情報を確認し、HYROXを始める人に向けた記事を制作する。

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