HYROXスプリットの見方|公式結果と区間タイムの整理

HYROX公式結果からラン・種目のスプリットを確認し、次の課題を絞る方法。メモに写して使える区間タイムの記入表も掲載しています。

ロープでスレッドを引く参加者
米国フォートマイヤーのHYROX形式の競技で、スレッドを引く参加者。
Sgt. Justin Rachal / U.S. Army

完走タイムが前回より遅くても、全種目が悪くなったとは限りません。ランは揃っていたのに、ある種目と移動だけで時間が増えたということもあります。スプリットを読む目的は、遅かった自分を責めることではなく、次の練習で変える場所を絞ることです。

公式結果の探し方から、ラン・種目・移動の見比べ方まで整理します。紙や表計算に転記できるスプリット表と、総合タイムが2分18秒伸びた架空の比較例を用意しました。

公式結果を開き、自分の大会と部門を確認する

公式のResults & Rankingsで対象大会の結果を探します。名前が見つからないとき、公式APACヘルプは入力条件を増やしすぎず、姓など一つの項目で検索する方法を案内しています。名前が似ている人や別部門の結果と取り違えないよう、大会、部門、氏名を確かめます。

公式は完走者向け情報として、総合時間に加え、各ランと各種目の区間タイムを案内しています。まずはその数値を控え、自分の時計のラップは補足として見ます。参照:結果の探し方・完走後に確認できる記録。

対象大会と部門を選び、ラン・種目・Roxzoneを分け、増えた区間と自分のメモを照合する
公式結果を次の練習に使うための読み方。
HYROX公式結果サイトの大会と部門を指定する検索画面
大会と部門を指定して結果を検索。
出典:HYROX公式結果サイト

公式画面では、一覧から名前を開いて区間表へ進む

公式リザルトの入口では、最初にシーズンを合わせます。同じ年の大会でもシーズンが違う場合があるため、Raceの都市名が見つからなければ、上部のSeasonから出場時のシーズンを選び直します。その後、Raceで大会、Divisionで参加部門を選びます。開催日が分かれる大会ではThursday、Saturdayなどの日別表示も見て、自分の出場した枠に合わせます。

WorkoutをTotalにして結果を表示すると、部門全体の順位と、年齢別順位、氏名、Age Group、Totalが並びます。自分の結果は氏名を開いて詳細へ進みます。名前が見つからないときは、別の開催日・部門を見ていないか、GenderやAge Groupなどの絞り込みが残っていないかを先に戻します。

公式リザルト一覧の絞り込みと列見出し。大会・部門・開催日をそろえます。
公式リザルトの順位一覧。大会・部門・開催日と、列のTotalを合わせて見ます。
出典:HYROX公式リザルト

個別ページにはParticipant、Race Details、Judging Decision、Overall Timeがあり、その下にWorkout summaryが続きます。確認した画面ではRunning 1と1000m SkiErg、Running 2と50m Sled Push、というように、ランとワークアウトが交互に並んでいました。Timeがその行の時間、Placeはその区間での順位です。順位の数字を秒数と取り違えないようにします。

まず見るのはRunning 1〜8のTime、その後に各ワークアウトのTimeです。最後にRoxzone TimeとRun Totalを見ます。Roxzoneは移動の合計、Run Totalはランの合計です。Best Run Lapは最も速いランの区間で、8本の平均ではありません。この三つを別々に拾うと、ランだけが遅れたのか、種目や移動が増えたのかを整理できます。

公開結果を使って読み方を試すことはできますが、他人の一つの区間だけを自分の目標にする必要はありません。部門の重量、会場、経験が異なるためです。最初は自分のページの英語ラベルを記録表へ対応させ、何が含まれた時間なのかを理解するところから始めてください。


ランと種目を、同じ順番で並べる

まず速い・遅いの評価をせず、走った順に書きます。表の「休憩・メモ」は自分の記憶や練習時の記録です。公式記録から休憩の理由まで分かるわけではありません。

区間ラン種目種目時間休憩・メモ
1__:__スキーエルゴ__:__
2__:__スレッドプッシュ__:__
3__:__スレッドプル__:__
4__:__バーピーブロードジャンプ__:__
5__:__ローイング__:__
6__:__ファーマーズキャリー__:__
7__:__サンドバッグランジ__:__
8__:__ウォールボール__:__

別欄に大会名、日付、部門、総合時間、Roxzoneの表示値、ペナルティの有無を残します。累計表示と区間表示を混ぜて足したり、同じ時間を二重に集計したりしないよう、画面の項目名も一緒に控えてください。

HYROXスプリット記入用CSVをダウンロード。表計算で時間の形式が自動変換される場合は列を文字列にして転記するか、別列に秒を入力して比較します。記録が表示されない区間は空欄にし、0秒として合計しません。

Workout summaryの実画面。Runningの行とワークアウトの行を交互に読みます。
Workout summaryの実画面。Runningの行とワークアウトの行を交互に読みます。
出典:HYROX公式リザルト

まず、自分の中で増えた区間を探す

ランは前半と後半の並びを見ます。最初の数本が速く、その後に大きく落ちたなら、最初の配分を変えてみる余地があります。ただし、それだけで持久力不足と診断はできません。直前の種目や休憩のメモと合わせて読みます。

種目時間も、数字が一番大きい種目をそのまま弱点とするのは早計です。1,000mを漕ぐ種目と200mを運ぶ種目では課題が違います。前回の自分、同じルール・条件の練習、同じ種目という順に比べる方が、変更した結果を捉えやすくなります。

スキーエルゴに取り組む参加者。
スキーエルゴに取り組む参加者。
写真:Sgt. Justin Rachal / U.S. Army

2分18秒遅くなったレースを、区間から読み解く

以下は同じシングルス部門で前回と今回を比べる架空例です。会場が違えばRoxzoneや周回条件が変わるので、比較は数字だけで完結させず、選手案内と当日のメモも見ます。

項目前回今回今回−前回
ラン8本44:0044:15+0:15
種目8つ38:0039:36+1:36
Roxzone5:005:27+0:27
総合1:27:001:29:18+2:18

この例では、種目の増加が2分18秒のうち1分36秒です。そこで種目8つを一行ずつ比べます。ウォールボールが6:40から7:52へ1:12延び、他の種目合計が31:20から31:44へ24秒延びたとします。まず確認する価値が高いのはウォールボールです。

メモに「60回を過ぎてから長く休んだ」とあれば、次回は同じ重さと高さで序盤のセットだけ小さくし、有効回数と止まった時間を記録します。メモがないなら、タイムだけを見て筋力不足と決めず、種目を短く再現してどこで止まるか観察します。反対に移動の伸びが大きい例なら、会場の距離差や入口で迷ったかを先に見ます。


改善する項目を一つに絞る

例えば「ウォールボールの休憩が長かった」なら、次の練習ではセット分けを変えて比べます。「どの入口へ進むか迷った」なら会場図の確認や、模擬練習での移動が対象です。すべてを体力づくりで解決しようとすると、練習を増やすだけになりがちです。

数値を残しても、それを理由に毎回記録更新を狙う必要はありません。私が大事だと考えるのは、変化が見えることで継続しやすくなることです。次の課題と、今回続けられたことを一つずつ書けば、タイムだけでは見えない進歩も残せます。

ローイングマシンを使う参加者。
ローイングマシンを使う参加者。
写真:Sgt. Justin Rachal / U.S. Army

比べる相手より先に、同じ条件の記録をそろえる

初めての完走記録なら、前回の自分との比較はまだできません。その場合は同じレース内で、八つのランがどう変わったかを見ます。Run1とRun8の差が大きければ、前半の入り方や直前の種目のメモを見返します。数値を見てすぐ「ランが弱い」と決めず、走り始めに歩いたのか、走っている間ずっとペースが落ちたのかを分けて思い出します。

二回目以降は、次の順に比較条件を絞ります。全条件が一致しなくても分析はできますが、異なる部分を残して読むと、改善したつもりの数字を取り違えにくくなります。

比べる記録そろえるか、違いを残す項目先に読むこと
同じ施設の練習2回距離、器具設定、負荷、休憩、順番同じ変更をもう一度再現できたか
自分のレース2回シーズン、部門、会場、Roxzone、ペナルティ同じ種目の差と、その前後のラン
他の出場者同じ大会・部門・必要なら年齢区分順位より、参考にする種目と自分のメモの違い
SinglesとDoubles一人の担当量と、二人の交代条件が異なる同じタイムの基準へ並べず、形式を分ける

Proでスレッドに時間がかかった今回と、Openで軽かった前回を並べて、タイムだけで退歩したと結論づけるのは早いでしょう。逆に部門が同じでも、会場の走路やRoxzoneの長さが違えば、移動時間の差には自分の動き以外も含まれます。同じ種目に絞り、扱い方や休んだ回数まで合わせて見ます。

表計算で差分を出すときの手順

分と秒の区切りは、自動で時刻に変換されることがあります。例えば4分30秒を比較するなら、計算用の列に270秒、5分10秒は310秒と置くと、差は40秒と確かめられます。表示用の「4:30」と計算用の270を分けておくと、文字列を足してしまうミスを減らせます。

Run8本、種目8つ、Roxzoneを合計し、総合に近いかを最後に確認します。ペナルティや補正が表示されていれば、加算前後の項目を区別します。表示されていない時間を推測で埋めて総合に合わせず、分からない差分は残してください。公式結果に誤りがありそうな場合は、名前・大会・部門・該当区間を控えて主催者に照会します。

次の練習のためには、差の大きい順にすべて直す必要はありません。ウォールボールの休憩、プル後の走り出し、入口を探した時間など、記録と自分のメモが一致するものを一つ選びます。改善策を試した日は、速くなった区間の隣で別の時間が増えていないかも見て、全体として続けやすかったかを確認します。

スレッドを押す参加者と、器具を配置した床面。
スレッドを押す参加者と、器具を配置した床面。
写真:Sgt. Justin Rachal / U.S. Army

平均ペースと最速の一本を分け、行の合計も確かめる

たとえば公式画面のRun Totalが27分15秒なら、8本の平均は約3分24秒です。一方、その画面のBest Run Lapが3分17秒であっても、8本をすべて3分17秒で走ったわけではありません。最速の区間を基準に「ほかの区間は全部遅い」と判断するより、最初と最後、種目の直後でどう変わるかを見ます。

上の公開結果では、Run Totalは27分15秒、Roxzone Timeは3分39秒、Overall Timeは55分51秒でした。この場合、8種目に相当する合計は差し引き24分57秒になります。一方、同じ画面の8種目の表示値を足すと25分02秒となり、差し引きの数字と5秒ずれます。この画面だけで差の理由を断定せず、公式の集計欄と各区間の値をそれぞれ保存します。これはこの公開結果の読み方であり、参加者全体の平均や90分を目指す人への配分ではありません。

Judging DecisionにPenaltyやBonusが入っている結果では、その扱いも先に見ます。合計の差が出たからといって、すべてをRoxzoneや計測誤差へ押し込めないようにします。表示されている項目だけで説明できなければ、分からない差として残す。自己流で補正した数字を、次回から元の公式記録と混ぜないことが大切です。

自分の2大会を比べる場合は、同じ名前の行を横に置きます。Wall Ballsが遅くなった一方で前のRunning 8が速くなっていれば、最後のランで使った余裕も話題になります。ただし表だけで身体の原因は決められません。どこで休んだか、有効回数が進まなかったか、当日に覚えている出来事を追加し、次の練習で試す項目を一つ選びます。

速くなった区間も同じように見ます。スレッドが短くなっても、レーンの床や器具が違ったなら条件差を残します。順位が上がっただけで自分の時間が変わっていない場合は、参加者の構成も違います。成長を見るときには、順位と時間、参加条件を別々の欄へ置くと、必要以上に一回の結果へ振り回されにくくなります。

区間表の末尾に並ぶRoxzone Time、Run Total、Best Run Lap。
区間表の末尾に並ぶRoxzone Time、Run Total、Best Run Lap。
出典:HYROX公式リザルト

よくある質問

公式結果で、自分の名前が見つかりません。

シーズン、大会、日別の枠、部門が合っているかを確認します。GenderやAge Groupなどの絞り込みも一度戻し、氏名の入力条件を増やしすぎずに探してください。本文では公式画面の順に操作を紹介しています。

Best Run Lapを8倍すれば、ランの合計になりますか?

Best Run Lapは最も速い一本なので、8本の合計にはなりません。ラン合計はRun Total、各ランはRunning 1〜8のTimeを確認し、最速の一本と平均を分けて読みましょう。

一番時間が長かった種目から練習し直すべきですか?

種目ごとに距離や作業量が違うため、所要時間の長さだけでは決められません。前回の同じ種目と比べ、休憩・動作・器具操作などのメモを照らして、次回変える項目を一つ選びます。


まとめ

スプリットは、総合時間をラン・種目・移動に分け、次の一手を決めるために使います。公式結果の大会と部門を確認し、項目名と単位を揃えて記録してください。

気になる区間が見つかったら、理由をメモと照らし合わせ、次回は一つの条件だけ変えて確かめます。普段の練習を残す方法はトレーニング記録の記事にまとめています。

山野井 秀太
山野井 秀太

編集メンバー

HYFITの編集メンバー。ウエイトトレーニングとボクシングに取り組み、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトのBIG3は合計450kg。筋力を伸ばす練習と、技術や持久力が問われるボクシングの両方を続けている。HYFITでは、競技ルールやジムの公式情報を確認し、HYROXを始める人に向けた記事を制作する。

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