HYROXの補給食はどう選ぶ?ジェルとカフェインの使い分け

HYROXの補給を、糖質・水分・カフェインの役割で整理。容量や成分の違う3製品と、持参ルール、練習での確かめ方を解説します。

ジムでボトルから飲み物を飲む男性
運動時の水分と、糖質・カフェインを含む補給食は分けて考えます。
Mina Rad / Unsplash

初めてのHYROXに向けて補給を用意するとき、ジェルを買うことから始めると、何をどれだけ持つかで迷いがちです。まず分けたいのは、エネルギーになる糖質、水分、そしてカフェインの役割です。エナジードリンクを飲んだから、水分や食事の準備まで済むわけではありません。

私は特定の補給食を使い込んでいるわけではありませんが、プレワークアウトやカフェイン入り飲料も、使うなら先に練習で確かめたいと考えています。ただし、初参加のためにカフェインを追加することを、準備の必須条件にはしません。 何を飲むかだけでなく、ほかの飲み物やジェルとの重なりも見たいところです。

ここでは容量と成分が違う3つの補給候補を比べ、当日に持ち込む前の試し方を説明します。商品を食べ比べた順位ではなく、表示と使う場面を揃えた比較です。

レース前の食事と、途中で持つ補給を分ける

まず、自分が普段の練習前に無理なく食べられる内容と時間を確認します。当日の朝に食事を抜き、その分をジェルやエナジードリンクでまとめて埋めようとするより、練習で再現できる準備を決めておく方が判断しやすくなります。遠方の会場へ移動する人は、いつ食べるか、移動中に買えるかも含めて考えてください。

朝食のボウル、果物、飲み物を並べたテーブル
食事と、競技中に持つ補給を分けて考えます。
出典:Brooke Lark / Unsplash

途中で補給するかは、想定する競技時間、直前の食事、練習中の反応によって変わります。初参加者全員に同じ袋数やタイミングを指定するのではなく、長めの練習で、持ち運びと摂りやすさまで試しておきましょう。運動中に腹部の不快感が出たなら、商品を増やすのではなく、食事・飲み方・量を見直すきっかけになります。


容量と糖質量、カフェインの有無で比較する

ポケットに入れる小さなジェルと、運動前に飲む大きめのゼリーは、同じ「1袋」でも別の使い方です。2026年11月3日に確認した各メーカーの表示を、通常品とカフェイン入りを分けてまとめました。

製品1袋の内容選ぶ際の違い
inゼリー エネルギー180g・炭水化物45.0g・180kcal大きめのパウチ。競技前後に摂る場合と携帯する場合を分けて考える
Maurten Gel 10040g・炭水化物25g・100kcal小型の通常ジェル。カフェイン入りのCAF 100とは別製品
inゼリー エネルギーDEEP50g・炭水化物26.2g・105kcal・カフェイン60mg小容量だがカフェインを含む。ほかの摂取源と合計して考える

通常のinゼリー エネルギーは、1袋180gの栄養表示を確認しています。小型のDEEPは別の容量・配合の商品です。名前に「エネルギー」が入っているからといって、同じ物の小型版として扱わないようにしてください。Maurtenも、通常のGel 100とカフェイン入りを区別して選びます。

表示の糖質・炭水化物量だけで、胃に合うかまでは決まりません。 容量、食感、開封方法、水と一緒に摂りたいかを、実際に使う場面で比べる必要があります。価格は単品と箱売りで変わるので、試す段階では大容量のまとめ買いを急がなくてもよいでしょう。

inゼリー エネルギー:前に飲む物として、量と大きさを見る

青いパウチの通常品は、1袋180g、180kcal、炭水化物45.0g。メーカーはマスカット味のゼリー飲料として紹介しています。DEEPの50gやGel 100の40gと比べると、袋全体の重さが大きく違います。会場へ持って行き、スタート前に座って飲むために選ぶ場合と、競技中のポケットへ入れる場合は、別の選び方になります。

青いパウチのinゼリーエネルギー180g
通常のinゼリー エネルギー。キャップ付きの180gパウチ。
出典:森永製菓公式商品情報

ここで「180kcalだから朝食を丸ごと置き換えられる」とは考えません。メーカーが示すおにぎりとの比較はエネルギー量の説明で、食事全体の内容が同じという意味ではないためです。普段の練習前に飲み慣れているなら、買える場所と使う時刻を決めやすい候補になります。一方、持って走る物を探している人には、量だけでなく袋の収まりを比べる必要があります。

商品名が近い「エネルギーブドウ糖」「エネルギーアミノ酸」「マルチビタミン」などは別製品です。店頭では青い袋という印象だけで選ばず、「エネルギー」「180g」という表示を見ます。成分の違うゼリーを代わりに買ったときは、同じ1袋として練習時の記録へ入れないようにしましょう。

inゼリー エネルギーDEEP:小さい袋でも、カフェインを含む

DEEPは1袋50g、105kcal、炭水化物26.2g。通常品より小容量で、持久系スポーツ中にも飲める製品として案内されています。写真のパッケージにもカフェイン60mgと表示があるため、小さくて持ちやすそうという理由だけで通常品と置き換えないことが大切です。

金色のinゼリーエネルギーDEEP50gのパッケージ
エネルギーDEEP。50gの袋にカフェイン60mgを含みます。
出典:森永製菓公式商品情報

原材料には果糖ぶどう糖液糖、マルトデキストリン、ぶどう糖などが挙がっています。これらが入っていることと、本人が飲みやすいかは別なので、成分表だけで胃への相性を予測しないようにします。容量を抑えた補給を探している人は候補にできますが、カフェインなしを選びたい場合は別の候補から見た方が分かりやすいでしょう。

買う段階では、50gの単品なのか複数袋のセットなのか、通常のinゼリーなのかDEEPなのかまで確認します。商品名の「エネルギー」が共通でも、袋の大きさ、炭水化物量、カフェインの条件は揃っていません。普段のコーヒーやエナジードリンクと合わせる場合は、それぞれの表示を並べてから使うか決めます。

Maurten Gel 100:40gで炭水化物25g、通常品とCAFを区別する

黒いパウチのGel 100は1袋40g、100kcal、炭水化物25g。今回比較するのは通常品です。Gel 100 CAF 100は名前が近くても別商品なので、カフェインを避けたい場合は「CAF」の有無まで見てください。国内公式ショップの掲載額は920円(税込)でした。

黒いパウチのMaurten Gel 100通常品
Maurten Gel 100(通常品)。
出典:Maurten JP公式商品ページ

メーカーはハイドロゲルの製品として紹介し、グルコース、水、フルクトースなどの原材料を公表しています。ハイドロゲルという名称から、一般のゼリー飲料と同じ口当たりを想像するより、まず少量で扱いやすさを試す方が具体的です。メーカーの技術説明だけを根拠に、誰でも胃のトラブルを起こさないと判断することもできません。

同じような量の炭水化物を持ち運ぶなら、袋全体の重さも判断材料になります。今回の表示値では、Gel 100の25gとDEEPの26.2gは近い一方、袋の重さは40gと50g、カフェインの条件も異なります。1袋の値段だけを比べるより、必要な成分、容量、試せる販売単位を合わせて見ると選びやすくなります。国内公式の保存案内は10〜30℃の室内。購入した後は、車内など高温になる場所へ置いたままにせず、包装の保存方法に従ってください。


ラベルでは「1袋あたり」を見て、手持ちの飲み物と合わせる

お店で似たパッケージが並んでいたら、まず商品名の末尾まで確認してください。Gel 100とカフェイン入りのGel 100 CAF 100は別です。国内のMaurten JPの商品表示でも、通常のGel 100は1袋40g・炭水化物25gと確認できます。袋全体の重さが40gという意味で、40gすべてが炭水化物ではありません。

1袋の重量、炭水化物、カフェインの三つを食品ラベルで見る図
補給食の表示を見比べるときは、袋の重さ・炭水化物・カフェインを分けて読みます。

100gあたりで書かれた表示を比べるときは、実際に食べる量へ換算します。たとえば炭水化物が100gあたり50g、内容量が40gなら、1袋分は50×40÷100=20gです。これは計算用の架空の表示です。実際の商品では、食べる量、カフェイン量、アレルギー表示を購入した包装で見てください。

持ち運びを優先するなら、小容量の製品を比べる意味があります。ただし50gのDEEPを選ぶ理由が「ポケットに収まるから」だけなら、60mgのカフェインを一緒に摂る必要があるかも確認します。普段のコーヒーやほかの補給と重なる場合は、カフェインなしと表示された別候補も探せます。容量と成分が揃って初めて、自分が使う場面で比べられます。


同じ補給でも、会場へ持つ物と走りながら運ぶ物は違う

通常のinゼリー エネルギーは180gで、DEEPやGel 100より袋が大きい製品です。前に座って飲む物なら大きさが問題にならなくても、腰のポケットに入れて走る物として選ぶなら別の比較になります。まず「いつ使うために持つか」を決め、それから容量を見ると、成分表の数字だけで迷わずに済みます。

開封したMaurten Gel100のパウチと中身
開封したGel100のパウチ。
出典:Maurten公式商品ページ

小さい袋を選ぶ場合も、袋の切り口、開けた後の扱い、どこにごみを入れるかまで試します。キャップ式と切り取り式では扱いが違い、手が汗で濡れた状態では普段と同じように開かないこともあります。中身を飲めたかだけでなく、取り出してから片付けるまでを練習に含めてください。

味や胃への相性は、容量や炭水化物量からは選べません。 初めてなら、まとめ買いの前に少量で試す方が無駄を減らせます。友人が飲みやすかった物でも、自分にも合うとは限りません。購入先の単品・セット販売、期限、保存方法を見た上で、練習で確かめる分から用意しましょう。

カフェインを避けたいなら、補給食だけでなく朝のコーヒーや飲料も並べて確認します。DEEPの60mgとカフェイン入り飲料を合わせる場合は、両方の表示を見なければ全体量が分かりません。エナジードリンクを追加しても、食事や糖質補給の代わりになるとは限らないので、目的の異なる物を「元気が出そう」で重ねないことが大切です。


カフェイン入りを選ぶなら、足し算で確認する

レッドブルやモンスターのようなエナジードリンクと、スポーツドリンクは同じ役割ではありません。カフェインが目的なら含有量を確認し、水分や糖質の準備とは別に考えます。プレワークアウトを使う人は、コーヒー、ジェル、エナジードリンクまで重なっていないか見てください。

カフェイン入りMaurten Gel100 Caf100のパッケージ
カフェイン入りのGel100 Caf100。
出典:Maurten公式商品ページ

国立スポーツ科学センターを含むHPSCの資料も、製品による成分差と多量摂取への注意を示しています。海外版と国内版でサイズや配合が違う場合もあるので、ネットで見た数字をそのまま自分の缶に当てはめず、手元の表示を確認してください。体調や服薬との関係が気になる場合には、医療者へ相談し、無理に使用しない選択肢も残します。HPSCのエナジードリンク解説


自分で持ち、途中で受け取らない

26/27シングルスのルールでは、Roxzoneの各通過の前後または途中で少なくとも1回、水を利用できるようにするとしています。スポーツドリンク等は用意される場合がありますが、毎大会、特定の商品を受け取れると決めつけないでください。

Pace Breakerのファスナー付きポケットを開ける接写
Pace Breakerのファスナー付きポケット。
出典:lululemon公式商品ページ

自分の補給食が必要なら、スタート時から身に着けて持ちます。競技中に給水所の提供以外で、観客や同行者から飲み物・食べ物を受け取ることは、外部の援助として扱われます。「後で渡してもらう」前提をやめ、開封前も使用後も自分で扱える量にするのが準備のポイントです。空の袋は決められたごみ箱へ捨てます。公式ルールブック第10.4・10.5節


練習で確認するのは、味だけではない

まず、予定するウェアに入れて走り、跳び、しゃがんでみてください。ポケットから落ちる、パウチが当たる、開けようとして手が滑るといった問題は、成分表だけでは分かりません。水を飲む場所や、使った袋を持つ場所も含めて試します。

Maurtenの商品紹介写真でGel100を口に運ぶランナー
Gel100の使用場面。
出典:Maurten公式商品ページ

使った日は、摂った時刻、食事からの時間、商品と量、気になったことを短く残しておくと、次に変える点を絞れます。複数の商品を一度に増やすより、一つずつ条件を見た方が自分の反応を振り返りやすくなります。練習記録の残し方では、メモの項目例も紹介しています。


練習で1回試したら、次回に変えることは一つにする

競技に近い練習日に、普段どおりの食事を済ませてから、使う製品、携帯場所、開ける動作を一つずつ確認します。大会当日にしか試せない給水所を練習で再現する必要はありません。代わりに、飲める時間や場所をあらかじめ決めた練習にして、慌てずに扱えるか見ます。

補給の練習メモ(架空の記入例)
記録項目記入例次に変えること
食事・体調慣れた朝食、開始時に胃の不快感なし次回も食事と時刻を揃える
携帯腰ポケットでは跳ぶと袋が動く同じ製品のまま携帯場所だけを変える
開封汗をかいた後に切り口がつかみにくい止まれる場所を想定し、練習で再確認
摂取後飲みにくさを感じたが、そのときの条件を覚えていない摂取時刻と飲み物もメモする

これは摂取量やタイミングの推奨ではありません。公式のシングルス規則ではRoxzone通過の前後または通過中に水が用意され、スポーツ飲料などがある場合もあります。飲料の種類や給水台の位置は会場案内で確認し、特定製品を現地で受け取る前提で準備しないようにしましょう。


よくある質問

初参加でもカフェイン入りの補給を用意すべきですか?

初参加の準備として必須ではありません。糖質や水分の準備とは分け、使う目的がなければ追加しない選び方もあります。カフェイン入りを選ぶ場合は、ジェルだけでなくコーヒーや飲料との重なりを表示で確認してください。

同じ「エネルギー」という商品名なら、同じ1袋として比べられますか?

袋の大きさ、炭水化物量、カフェインの有無が違うことがあります。商品名の末尾と内容量を確認し、実際に使う1袋分の表示を並べて比べてください。持ち運ぶなら、袋の重さや開けやすさも選ぶ材料になります。

気になるジェルは、本番当日に初めて使ってもよいですか?

本番で初めて試すより、先に練習で味、開封、携帯、摂った後の反応を確かめることを勧めます。一度に製品や量をいくつも変えず、何を使ったかと気になった点を残すと、次回に変える条件を絞れます。


まとめ

HYROXの補給は、レース前の食事、途中で必要になる糖質、水分、カフェインを分けて準備します。ジェルは容量と成分、飲み物は役割を確認し、初めての製品や組み合わせを当日まで持ち越さないようにしましょう。

完走を目指す初回なら、商品をたくさん揃えることより、使い慣れた準備を再現できることを優先したいです。持ち運びと使用条件は、当日の持ち物・ギアと一緒に確認できます。

山野井 秀太
山野井 秀太

編集メンバー

HYFITの編集メンバー。ウエイトトレーニングとボクシングに取り組み、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトのBIG3は合計450kg。筋力を伸ばす練習と、技術や持久力が問われるボクシングの両方を続けている。HYFITでは、競技ルールやジムの公式情報を確認し、HYROXを始める人に向けた記事を制作する。

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